2007年2月18日日曜日

花言葉と誕生花

誕生花に花言葉はつきものですが、中には、あれっ? と思うようなものもあります。
 たとえば、
 1月21日がロウバイ(蝋梅)で、花言葉は慈愛。
 1月22日がアンスリュームで、花言葉は煩悩。
 1月23日が万両で、花言葉は 陰徳。
 両サイドがつつましやかな花言葉で、まん中がちょっと悩ましい花言葉。1月22日に生まれた人は、変なくじを引いてしまったような気分になるかもしれません。
 実は、誕生花もさまざまですが、花言葉もさまざまです。
 アンスリュームには、可愛い・情熱・熱心・他人行儀・旅立ち・炎のような輝き、といった花言葉もあります。
 「煩悩」に似た花言葉は、チューベローズの花言葉「危険な快楽」などがあります。とっても魅力的なときには、もってこいの言葉のセレクトかもしれません。
 花言葉は、国や地域の伝説や風習や、最近は本の編纂者の好みによって、いろいろな言葉が生み出されているといわれます。花言葉の中には、花占いが元になっているものもあるといわれます。
 同じ花言葉でも、例えば、「壮大な美」という花言葉を有しているのは、天南星(てんなんしょう)や、フィロデンドロン・クッカバラ、カラー、カサブランカ・リリーがあります。
 忘れな草の「私を忘れないで」のような、名前そのものの伝説と花言葉を持つ植物もあります。
 お友達へ送る花の花言葉、シチュエーションや意味を考えて使いましょう。

花言葉のはなし

花言葉は、フラワー・ランゲージとも呼ばれ、伝説や性質などにもとづいて、象徴的な意味を持たせた言葉です。
 たとえば、バラ。バラの花言葉といえば、愛・愛情・恋・美といったものが有名です。
 ギリシャ神話では、愛と美の女神アフロディーテが誕生した際、大地が同等の美として生み出したのがバラの花といわれています。
 中世では、バラは聖母マリアの愛と優美さを象徴。キリスト教では、殉教や復活を意味するほか、トゲは罪の象徴であるいわれています。
 バラの花言葉のひとつ「秘密」は、バラがギリシャ神話の沈黙の神ハルポクラテスに与えられたという故事や、ローマ時代のバラの花を吊るした宴会での話は秘密にするという風習からきているといわれています。
 バラの花言葉は、国によっても異なり、花の色や部位、状態や種類によって変わります。
 白いバラのつぼみ、枯れた白のバラ、中輪の黄色のバラ、大輪の黄色のバラ、赤いバラの葉、赤いバラのつぼみ、黒みがかった赤いバラ、満開のバラ、多弁のバラ、一重のバラ、野バラ、トゲのないバラ、赤と白のバラの組み合わせ、赤白斑入り……。
 バラの葉や、枝、トゲにまで、それぞれ花言葉があります。
 園芸品種としてのバラには、花言葉ならぬ、品種名として、「恋心」や「乾杯」「希望」「栄光」「夢」「ときめき」といった日本の品種のほか、「ピース(平和)」、「スーパースター」、「ダイヤモンド・ジュビリー(ダイヤモンド婚)」、「ファースト・ラブ(初恋)」といった名前の世界的な名花があります。
 品種名が花言葉という感じですね。
 花言葉は花だけにとどまらず、葉ものや、木にも言葉があります。
 昔のイギリスの貴族は、花に秘めた想いを託して相手に花を贈ったといわれます。
 プレゼントに花束を贈るとき、花言葉を考えて贈りたいところですが、たくさんの意味や正反対の意味があったら、困りますね。
 でも、大好きな花なら、どんな花言葉でもOKなのは請け合いです。

人気のプリザーブド・フラワー

花の中でも、枯れない生花、プリザーブド・フラワーが人気を集めています。
 プリザーブド・フラワーを使ったアレンジメントや、アレンジメント用の素材が、色もとりどりに販売されています。
 ホームメイド用の材料も手に入るようになり、オリジナル・アレンジができるようになりました。プリザーブド・フラワー教室も全国で展開され、文部科学省認可のプリザーブドフラワー資格コースというのもあります。
 プリザーブド・フラワーは、ブリザード・フラワー(blizzard Flower?)とか、プリザード・フラワーとも呼ばれていますが、プリザーブド・フラワーと呼ぶのが正しい名称です。Preserved Flowerは、英語では、ドライフラワーや押し花のことを指しますが、近年、最新の保存加工技術を使った花を特に指して呼ばれるようになりました。
 プリザーブド・フラワーは、生花をカットしたのち、オーガニック系の染料や、グリセリン系の薬品などを吸わせ、特殊な加工をして乾燥させることで、自然なままの状態を残しています。
 プリザーブド・フラワーは、1991年にフランスで市販されはじめてから、世界中で、ギフトなどとして愛されています。
 コロンビア大使館主催の、プリザーブド・フラワー・コンテストもあり、国際的に交流がなされています。

プリザード・フラワーの花

花のアレンジメントの中でも、一瞬、生花とまごうような、プリザード・フラワー。
 ウェディング・ブーケなど、思い出の形が枯れることなくそのまま残ります。
 プリザード・フラワーは、正しくは、プリザーブド・フラワー(Preserved Flower=保存された花)といい、生花を特殊加工して乾燥させた、ドライフラワーの一種です。
 プリザード・フラワーの花には、バラや蘭、カーネーションなどがあります。色も、生花そのままの赤やピンク、オレンジのほか、バラの色としては幻とされる青い花も、オーガニック着色料によってつくりだすことができます。
 プリザード・フラワーには、フランスやコロンビアなどのメーカーで加工された、輸入品もあります。ヴェルモント、フロールエバー、ヴェルディッシモが三大メーカーといわれ、花色の多さと美しさで人気を得ています。
 プリザード・フラワーは1~3年、日本のように湿度の高くないヨーロッパなどでは、10年は保存できるといわれています。ケースにシリカゲルなどと一緒に入れたら、保存状態はよくなります。

誕生花とは

花の中でも、365日+1日の毎日の花を定めた誕生花。
たとえば、
 1月1日・元日の誕生花は、松、福寿草、白椿、梅、スノードロップ、白いチューリップ
 3月3日・桃の節句の誕生花は、桃、花桃、ピンクの桃、蓮華草
 5月5日・端午の節句の誕生花は、菖蒲、花菖蒲、あやめ、おじぎ草、アルストロメリア・鈴蘭・黄色のカラー
 7月7日・七夕の誕生花は、くちなし、睡蓮、アベリア、アゲラタム、スグリ(酸塊)、アカスグリ(赤酸塊)、エノテラ(桃色昼咲月見草・昼咲月見草)
 9月9日・重陽・菊の節句の誕生花は、白菊。浦菊(うらぎく)、スプレーマム(スプレー菊)、女郎花(おみなえし)、紫苑(しおん)、浜紫苑、リコリス、屁糞葛(ヘクソカズラ)、カンガルーポー
 といった具合に、やっぱり! と思うものから、あれ? と思うものまでさまざま。
 自分を守護してくれる誕生日の花といわれつつ、こんな植物じゃイヤというのも。
 ものによっては、誕生花の日にちが入れかわっているものもあり、開花時期や、店頭販売の時期に沿ったものなど、いろんなシリーズがあります。
 誕生花の由来は、古代ギリシア・ローマの神話の時代に求められるといわれますが、日本の風土にマッチした誕生花は、味わいのあるものです。
 1日ごとに選ばれた誕生花を追っていくと、それだけで季節の移り変わりが楽しめますね。

誕生花のいろいろ

誕生日の花、誕生花。ということは、366日誕生花があります。
 うるう年の2月29日にも誕生花はあります。
 じゃあ、誕生花は366個で終わり、といったらそうではありません。
 実は、たくさんの種類があるのです。
 たとえば、2月29日の誕生花はヨモギ(蓬)。えっ、花じゃないの?、と思われそうですが、誕生花には、およそ花のイメージのとぼしい、葉や木としか思えないものも入っています。
 2月29日の誕生花には、ほかには、ワスレナグサ(忘れな草)、ハマカンザシ(浜かんざし=アルメリア)、ハナムギ(花麦=花材に用いられる大麦)、アイスランド・ポピー(=シベリアヒナゲシ、いわゆるポピー)、トウツバキ(唐椿)、エンレイソウ(延齢草)、サンシュユ(山茱萸)といった植物が挙げられています。
 花期のイメージのほか、忘れな草や、延齢草が入っているのは、うるう日という特別な日にちなんでいるようです。
 植物の名称は、同じものでも異なる名前で呼ばれていることもあるので、気をつけましょう。

フラワー・アレンジメントのいろいろ

フラワー・アレンジメントとは、西洋版生け花。
 バスケットなど花器に盛ったものや、結婚式に使われるブーケや、クリスマスなどで壁や玄関に飾られるリース、コサージュなど、あらゆる花をアレンジしたものを指します。
 英国式フラワー・アレンジメントや、フレンチ・フラワー・アレンジメントなどがあり、ホリゾンタル(水平型)、360度見せるラウンド(ドーム)型、三方向から見せるトライアンギュラー型といった型があります。
 和風の花をあしらったアレンジメントもあり、デザイナーの感性の素晴らしさに思わず目を見はります。
 駅前の花屋さんの店頭で売っている、新鮮な季節感いっぱいのミニブーケなど、思わず手に取ってしまう人もいるでしょう。
 お値段も小さなアレンジで350円くらいから、数千円、数万円の豪華なものまでいろいろ。
 フラワー・アレンジメントされた花束は、お誕生日に、お見舞いに、開店祝いに、ご結婚祝いなどのプレゼントとしてポピュラーなものです。
 枯れるのがもったいない、とってもきれいなフラワー・アレンジメント。写真に撮って、カードにして贈るのも素敵です。